IR赤外線ライト機能を解説!防犯カメラの白黒映像とカラー映像はどう使い分ける?
TVのニュースでの防犯カメラの映像といえば、白黒で映っているのを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
「カラーの方が鮮明で情報量も多いのに、なぜ白黒映像が使われるの?」 そう思われている方もいるかもしれません。
実は、防犯カメラの白黒とカラー映像の切り替えには、「IR赤外線ライト」が関わっています。IR赤外線ライトは、夜間や暗い場所でも鮮明な白黒映像を撮影できる、防犯カメラにとって非常に重要な機能です。
本記事では、IR赤外線ライトの仕組みや役割、白黒/カラー映像の使い分けについて、実際の防犯カメラの設定画面を交えながら詳しく解説していきます。
この記事を読めば、IR赤外線ライトの機能を最大限に活用し、昼夜を問わず効果的な監視体制を構築することができます。 ぜひ最後まで読んで、防犯カメラの運用にお役立てください。
目次
IR赤外線ライトとは?
防犯カメラで夜間でも鮮明な映像を撮影するために欠かせないのが「IR赤外線ライト」です。IR赤外線ライトは、人間の目には見えない赤外線を照射することで、暗い場所でも被写体を白黒で鮮明に映し出すことができます。
IR赤外線ライトの仕組み
防犯カメラに搭載されているIR赤外線ライトは、主に近赤外線と呼ばれる波長帯の赤外線を照射します。
近赤外線は、可視光線に近い波長を持つため、カメラのセンサーで捉えることができ、白黒画像として表示することができます。
IR赤外線ライトは、周囲の明るさが一定以下になると自動的に点灯するようになっています。
この明るさの値は、カメラの機種や設定によって異なりますが、一般的には約0.05ルクス以下になると作動します。(※0.05ルクスは、月明かり程度の明るさです。)
人間の目ではほとんど何も見えないような暗い場所でも、IR赤外線ライトを搭載した防犯カメラであれば、鮮明な白黒映像を撮影することができるのです。
IR赤外線ライトの活用シーン
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駐車場の監視
夜間の駐車場は、人通りが少なく、暗くて犯罪が発生しやすい場所です。IR赤外線ライトを搭載した防犯カメラを設置することで、夜間でも車両や人物を白黒で鮮明に捉え、検知や証拠映像として活用できます。
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店舗の監視
閉店後の店舗は、無人となるため、侵入盗などの標的となる可能性があります。IR赤外線ライトを搭載した防犯カメラを設置することで、夜間でも店内を監視し、不審者の侵入を検知することができます。
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工場の監視
工場では、夜間も稼働している場合があり、セキュリティ対策が重要となります。IR赤外線ライトを搭載した防犯カメラを設置することで、夜間でも敷地内を監視し、侵入者や事故を早期に発見することができます。
IR赤外線ライトを搭載した防犯カメラは、夜間におけるセキュリティ対策に非常に有効です。
IR赤外線ライトは、防犯カメラの性能を大きく向上させる重要な機能です。 次章では、実際にIR赤外線ライトの設定方法と、設定による映像の違いを検証していきます。
IR赤外線ライトの設定解説
IR赤外線ライトは、防犯カメラで夜間撮影を行う際に重要な役割を果たしますが、適切な設定を行うことで、より効果的に活用することができます。
今回はショールームにある IR赤外線ライトを搭載した i-PROのネットワークカメラ「WV-S15700-V2LN」を使用し、IR赤外線ライトの設定方法を実際の映像と共に解説します。
WV-S15700-V2LNは、高感度・高画質を実現した屋外対応のネットワークカメラです。 IR LEDを搭載しており、夜間や暗い場所でも鮮明な映像を撮影することができます。
WV-S15700-V2LNを使って実際にIR赤外線ライト設定解説
IR赤外線ライトが作動していると以下のようにカメラのフロント部のライトが点灯します。
IR赤外線ライト設定は、以下の手順で行います。
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カメラのWebブラウザにアクセスする
カメラと同じネットワークに接続したPCから、WebブラウザでカメラのIPアドレスにアクセスします。
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ログインする
ユーザー名とパスワードを入力してログインします。
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設定画面を開く
メニューから「設定」→「カメラ」→「画像」を選択します。
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IR赤外線ライトの設定1
IR赤外線ライトの設定は白黒切換タブから選択して行います。
「白黒切換」→「IR赤外線ライトのモード」を選択します。WV-S15700-V2LNでは、以下の5つのモードから選択できます。
Off:カラー映像(IRを使いません)
On(IR Light Off):白黒映像(IR赤外線ライトを使いません)
On(IR Light On):白黒映像(IR赤外線ライトを使います)
Auto1(IR Light Off):光源が明るい場合はカラーモード、光源が暗い場合は白黒モードに自動で切り換わります。(IR赤外線ライトを使いません)
Auto2(IR Light On):光源が明るい場合はカラーモード、光源が暗い場合は白黒モードに自動で切り換わります。(IR赤外線ライトを使います)
Auto3(SCC):光源が暗い場合でもカラー映像を維持したい場合に使用します。
※(SCC)Super Chroma Compensationとは?
被写体を忠実に撮像できないような照度が低い環境下でも独自の色補正技術を用いて忠実なカラー画像を取得できる機能です。 -
IR赤外線ライトの設定2
レベルの調整(カラーから白黒へ切り替わる明るさ(lux)を設定します。)
3:カメラの周囲の明るさ(輝度)が約8lx以下で白黒画像に切り換わります。
2:カメラの周囲の明るさ(輝度)が約4lx以下で白黒画像に切り換わります。
1:カメラの周囲の明るさ(輝度)が約2lx以下で白黒画像に切り換わります。
0:カメラの周囲の明るさ(輝度)が約1x以下で白黒画像に切り換わります。
切換時間:カラー映像と白黒映像を切り換えるまでの時間を設定します。
IR Light照射強度:IR赤外線ライトの照射の強さを設定します。
IR赤外線ライトオンオフでカラー映像と白黒映像を比較してみた
実際にショールームを暗くした状態で、IR赤外線ライトをオンオフしてカラー映像と白黒映像で比較してみました。
夜間でのカラー映像(IR赤外線ライトオフ)
夜間での白黒映像(IR赤外線ライトオン)
IR赤外線ライトを使用する際の注意点
IR赤外線ライトが壁に反射しないようにカメラの設置場所を工夫する必要があります。
- 壁や障害物から離れた場所に設置する。
- IR赤外線ライトの光が直接壁に当たらないように、角度を調整する。
- IR赤外線ライトの照射強度を調整する
IR赤外線ライトの光は、壁などの障害物に反射すると、反射した赤外線がカメラのセンサーに直接入り込むことで、その部分が過剰に明るく表示されてしまいます(白飛びの原因になる)。また夜間にカラー映像のまま白黒映像に切り替わらないといったことも。
IR赤外線ライトを効果的に活用するためには、設置環境や監視状況に合わせて、カメラの画角や設置場所、適切な設定を行うことが重要です。
まとめ
IR LEDは、夜間や暗い場所でも鮮明な映像を撮影できる、防犯カメラにとって非常に重要な機能です。 人間の目には見えない赤外線を照射することで、周囲が暗くても被写体を明るく照らし出し、クリアな白黒映像を撮影することができます。
IR赤外線ライトの設定は、設置場所や監視目的によって適切なモードを選択することが重要です。
IR赤外線ライトは、壁などの障害物に反射することがあります。 反射による映像への影響を防ぐためには、カメラの設置場所やIR赤外線ライトの照射強度を調整するなど、工夫が必要です。
効果的な防犯カメラシステムを構築するためには、IR赤外線ライトの機能を正しく理解し、適切に設定することが重要です。
本記事を参考にして、IR赤外線ライトを最大限に活用し、昼夜を問わず安心できるセキュリティ体制を構築してください。
ガリレオでは実際に見て、触って、体感できるショールームを開設しております。ショールームでは、防犯のプロが厳選した最新のセキュリティシステムを多数展示。
本記事で紹介しましたi-PROのネットワークカメラ「WV-S15700-V2LN」も実際にお試しいただけます。
実際に触ってその実力をご体感ください。
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