AIプライバシーガードとは?設定手順と実際の使い方を解説します!
近年、プライバシー保護の重要性が高まる中、監視カメラの運用にはより一層の配慮が求められています。特に欧米では、GDPR(EU一般データ保護規則)などの厳しい個人情報保護法が施行され、企業は個人情報の取り扱いについてこれまで以上に慎重になっています。
一方で防犯対策の重要性も増しています。テロや犯罪の増加に伴い、公共の場や商業施設などでは、監視カメラの設置が強化される傾向にあります。
しかし、監視カメラの映像には、個人のプライバシーに関わる情報が多く含まれています。
店舗や商業施設では、防犯対策として監視カメラの設置が不可欠ですが、顧客のプライバシー保護も同時に実現しなければなりません。
効果的なセキュリティ対策を行うにはどうすれば良いのでしょうか?
そこで注目されているのが 「AIプライバシーガード」です。
AIプライバシーガードは、AI技術を活用してカメラ映像内の「人物の全身」または「人物の顔部分」に自動でプライバシーガードをかけることで、プライバシー保護とセキュリティ対策を両立させる技術です。
しかし、AIプライバシーガードを導入するには、適切な設定を行う必要があります。
この記事では、AIプライバシーガードの設定方法を、初心者の方でも理解しやすいよう、ステップバイステップで丁寧に解説します。
さらに、実際にAIプライバシーガードを設定し、その効果を検証した結果もご紹介します。
この記事を読むことで、以下のことが分かります。
- AIプライバシーガードの基礎知識
- AIプライバシーガードの活用シーン
- AIプライバシーガードの設定方法
- AIプライバシーガードを適用した実際の映像確認
AIプライバシーガード導入を検討されている方、設定方法に不安のある方は、ぜひこの記事を参考にして、適切な設定を行い、プライバシー保護とセキュリティ対策を両立した環境を構築してみましょう!
AIプライバシーガードとは?
プライバシー保護の重要性が高まる現代において、監視カメラの運用は大きな課題を抱えています。防犯対策として有効な一方、撮影される人々のプライバシーへの配慮も欠かせません。
そこで登場したのが「AIプライバシーガード」です。
AIプライバシーガードとは、AI(人工知能)を搭載したカメラシステムで、映像に映った人物や顔部分を自動でモザイク処理する技術です。
これにより、個人の特定を防ぎながら、必要な映像は記録・確認できるようになります。
従来のプライバシー保護技術では、特定の領域を常にマスキングするものが主流でした。
しかし、AIプライバシーガードは、AIが人物や顔を自動で認識し、必要な部分のみをモザイク処理するため、より柔軟で効果的なプライバシー保護を実現します。
AIプライバシーガードの活用シーン
AIプライバシーガードは、様々な場面で活用が期待されています。
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工場の製造ライン
従業員のプライバシーに配慮しながら、作業の安全管理や不正行為の防止、業務効率化に役立ちます。
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店舗
お客様や従業員のプライバシーを守りながら、雑混状況の確認や業務効率の改善やセキュリティ対策に活用できます。
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病院や介護施設
入院患者や入居者のプライバシー保護と、安全管理を両立できます。
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学校
生徒のプライバシーを守りながら、校内でのトラブルや事故の防止に役立ちます。
AIプライバシーガードは、プライバシー保護とセキュリティ対策の両立という課題を解決する、画期的な技術と言えるでしょう。
AIプライバシーガードの設定方法および検証
AIプライバシーガードを効果的に活用するには、適切な設定が不可欠です。
今回も社内ショールームにあるコンパクトなAI搭載カメラ「WV-S7130UX」を使用し、AIプライバシーガードの設定方法を具体的に解説し、その検証結果をご紹介します。
AIプライバシーガードの設定方法
ブラウザからカメラにアクセスして設定を行います。
1. カメラへのアクセス
まず、ネットワークに接続されたPCからカメラにアクセスします。カメラのIPアドレスをブラウザに入力し、カメラに設定した管理者のアカウントとパスワードでログインします。
カメラのライブ映像の画面が表示されればOKです↑
2. AIプライバシーガードアプリケーションの設定
カメラの管理画面から、「設定」→「機能拡張ソフトウェア」→「AIプライバシーガード」を選択します。
3. AIプライバシーガードの設定
AIプライバシーガード設定には、主に以下の設定項目があります。
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ガード対象:
プライバシーガードを「人物の全身」か「顔のみ」を設定することができます。
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対象ストリーム:
メインのストリームを選択します。(fpsを12.5未満に設定する必要があります。)
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描画方式:
対象を描画する種類を選択します。「モザイク」or「塗りつぶし」が選択可能です。
4. 設定の保存
設定が完了したら、「設定」を選択し忘れずに設定内容を保存します。ライブ映像に戻りAIプライバシー保護が動作していることを確認します。
注意点
- カメラの機種やファームウェアのバージョンによって、設定方法や設定項目が異なる場合があります。
- AIプライバシーガードを設定する場合はfpsを12.5未満に設定する必要があります。
- AIプライバシーガード対応カメラは、メーカーのウェブサイトやカタログで確認できます。
実際にカメラで検証してみた!
実際にカメラにAIプライバシーガードを設定し、その効果を検証しました。
今回もi-PROのAI搭載のコンパクトカメラWV-S7130UXを使っていきます!
検証では、「モザイク処理」と「塗りつぶし」を「人物の全身」と「顔のみ」それぞれの場合で精度や処理速度などを確認しました。
それぞれの実際のカメラ映像は以下のようになりました。
【顔のみモザイク】
【人物全身モザイク】
【顔のみ塗りつぶし】
【人物全身塗りつぶし】
AIプライバシーガードは、若干の認識速度に遅れがみられるものの、高精度で人物や顔を検出し、プライバシー処理を行うことが確認できました。リアルタイムでのプライバシー保護に十分対応できることがわかりました。
まとめ
この記事では、プライバシー保護とセキュリティ対策を両立するAIプライバシーガードについて解説しました。
AIプライバシーガードは、AI技術を活用してカメラ映像内の「人物の全身」または「人物の顔部分」に自動でモザイク処理をかけることで、個人の特定を防ぎながら、必要な映像は記録・確認できる技術です。
工場や店舗や商業施設、オフィス、病院など様々な場面でプライバシー保護とセキュリティ対策の両立が求められる現代において、AIプライバシーガードは非常に有効な手段と言えるでしょう。
AIプライバシーガードの設定自体は初心者の方でも短い手順で容易に設定が可能です。
AIプライバシーガードを導入することで、プライバシー保護に対する意識の高さをアピールできるだけでなく、従業員や顧客の安心感にも繋がり、企業イメージの向上にも貢献するでしょう。
しかし、AIプライバシーガードの導入は、単にカメラを設置するだけでは終わりません。
- 設置場所の選定
- カメラの種類選定
- ネットワーク環境の構築
- 適切な設定
など、考慮すべき点は多岐に渡ります。
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